ネット営業体験記: 不動産仲介営業マニュアルの販売編
独立を考えたとき、ひらめいた“次の一手”
今から約20年前、私は長年勤めていた不動産仲介会社を退職し、独立や今後の働き方について模索していました。
そのとき、ふと頭に浮かんだのが、現場で培ってきた営業ノウハウの共有というアイデアです。
「これから仲介営業を始める人や、新人教育に悩む業者にとって、実践的なマニュアルは役立つのでは?」
そう考えて、営業マニュアルをPDF化して販売するサイトを立ち上げました。
作ったのは“現場仕様”のリアルな営業マニュアル
商品は『不動産仲介営業実践マニュアル』(PDF形式)。
実際の現場で私自身が使っていた営業の流れをそのまま反映した、約90ページの実用的な内容でした。
マニュアルの主な内容は以下の通りです:
営業エリアの選定方法
物件受託営業(仕入れ営業)の具体的な手法
物件調査・役所調査のチェックリスト
売主への価格査定と提案方法
集客用チラシ広告の書き方とテンプレート
実際の販売営業トークと対応事例
あくまで「実践」にこだわった構成で、机上の理論ではなく、現場で役立つ内容を盛り込みました。
サイト制作と販売方法
マニュアル販売用に簡易的なWebサイトを作り、20ページほどの記事で、マニュアルの内容や販売意図を分かりやすく紹介しました。
まだWordPressも普及しておらず、HTMLをいじりながらの手作り感満載のサイトでしたが、検索流入や掲示板経由で少しずつ訪問者が増えていきました。
価格は1マニュアルあたり1000~2000円程度。月におよそ5万円の売上を記録した時期もありました。
意外な難しさ:質問対応のリアル
販売後、何件かユーザーからの質問や問い合わせが届くようになりました。
その中で特に苦労したのが、
エリアによる商習慣の違い(例:関西と関東での慣習の違い)
すぐに回答を求められる対応時間のプレッシャー
全国からアクセスがある分、「地域によって常識が違う」という壁があり、マニュアルの内容がすべてのエリアに完全に合致するわけではありませんでした。
また、当時は今のようにチャットサポートやSNS連携がある時代ではなく、メール対応がメイン。対応にも時間を取られ、少し疲弊したのも事実です。